ライオン・キング

2024年2月16日金曜日

アニメ ディズニー 海外映画

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独断と偏見とちょっとしたスパイス 62

ライオン・キング
─その「過去」を受け入れ、「王」は帰還する。─

ディズニー公式サイトより引用





もう記事は削除されてしまい見る事はできないが、
熊本のローカル紙・熊本日日新聞にこの様な記事があった。



※リンク切れ


保健所に「ハイエナの様な変な生き物がいる。」という問い合わせが続いるが、
その正体は皮膚病の狸だったというニュース。
疥癬というダニを媒介とする皮膚病にかかった狸は、
体全体の毛が抜けて皮膚が露出し、またその皮膚をかさぶたが覆っている。
「疥癬 狸」でグーグル検索をするとその姿は見れるが、グロテスクなので観覧注意。

熊本では時折そういった狸が現れる。
これもまた自然の営みなので私にはどうする事はできない。
ただハイエナの話題や記事をみると、あの痛々しい狸を思い出す。

さて今回取り上げる作品はディズニーの名作、『ライオン・キング』
悪いハイエナ達も現れるディズニーの名作映画です。
ちなみ超実写版と言われている2019年版では無くて、1994年版を取り上げる。




サバンナの地に太陽が昇り、「サークルオブライフ」が流れ、朝が始まる。
あまりにも有名な冒頭のシーンから始まる『ライオン・キング』を取り上げる。
言わずと知れたディズニーの傑作映画で、個人的には劇団四季のイメージも強い。

少し話は脱線するが、実は今も公演を続けていて何なら東京の劇場で見れる。
もしも私が東京在住だったら見に行きたかった。劇と映画の違いとかも気になるし。 
劇団四季と言ったら『キャット』『ライオン・キング』はよく聞くタイトル。
舞台は去年『キングダム』を見て以来色々な劇を見たい欲に襲われているから、
有名どころはとりあえず押さえたいよね。話のネタにもなるし。

『ライオンキング』は記憶があやふやなんだけど、子供の頃に一度見たように思う。
内容はすっかり忘れていたから見せないのと一緒なんだけど、
一つ凄いなって思った事があって、子供の時の好きな作品を見返した時にがっかり感、
「やっぱり子供向けの作品なんだ。」という一種の落胆した気持ち。
これって自分が成長するにつれて作品の対象年齢から外れてしまい、
素直の楽しめなくなってしまうから現れると思う。
これってしょうがないだけど、でもやっぱり悲しい事だと思う。

しかし『ライオンキング』を見た時。その世界観に圧倒されてしまったのよね。
最初の冒頭シーン。あれでもう圧倒されっぱなし。
あのがっかり感とは今回は無縁だった。

子供でも理解できるぐらいに物語はシンプル。
シンプルな王道ストーリーは裏を返せば、ありきたりやチープになってしまう恐れがある。

でも不思議。
「王の弟が外部勢力と結託し王とその息子(未遂)を謀殺、王位を掌握する。
 王の息子は王国の外で育ち、やがて奮起し国を奪還する。」
って書くとすごく血生臭いけど、中世辺りだったら生々しい話になるでしょ。

大人になればより考える事も増える。視点も増えてくる。
ディスニーって子供も見れる作品だからこそ表面のポップさで隠れているけど、
その内側にあるリアリティとテーマ性が深く刺さってくる。
そしてそれを表現する圧倒的な演出力があるから、
大人まで楽しめる。そんないい映画になっている。


個人的にはスカーとハイエナ軍団がすごく好き。
愛嬌のあるハイエナが単純にカワイイというのもあるけど、とにかくスカーが好き。

スカーって正直自分の策略に溺れるタイプで、
主人公のシンバが直接戦わなくても何らかの理由で失脚してそうな印象なんだけど、
吹き替え版の声優・壤晴彦さんの名演とスカーの曲「準備をしておけ」の場面でもう虜。

やる事いう事が全て陰湿で、ヘイトを集める悪役なのに、なのにかっこいいって思った。
言葉遣いがわりと綺麗なのもポイント高いし、悲惨な最期も好き。
スカーが社会一般でどのような評価なのかわからないし、
人気もどれぐらいあるのかわからない。

それでも好きな悪役の1人だ。スカーがたった1作で退場したのは悲しい。


さっきも書いた通りライオンキングというと冒頭シーンがあまりにも有名だけど、
個人的に好きな場面は他にある。それは物語の中盤。少し説明を入れる。

王・ムファサ謀殺の陰謀から命かながら脱出したシンバは砂漠を超えた先のジャングルで、
ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァに出合う。
そこで「ハクナ・マタタ」(問題ない。の意)をモットーに心も体も救われたシンバは、
そこで立派に成長し、ムファサの様な立派なたてがみを生えるぐらい大きく育った。

そんなある日シンバは幼馴染のメスライオン・ナラに出合う。
そこで王国がスカーに乗っ取られている事。王国は不毛の大地になっている事を話し、
国に帰ろうと誘うがシンバはそれを拒否する。

シンバは自分の過ちで父ムファサを死に追いやった事を深く後悔していた。
自分の過去と向き合うか。そんな悩みを抱えているシンバの前に、
ヒヒでシャーマン、そして王族とも近い関係を持ったラフィキが訪れる。
ラフィキの導きの先に、空にムファサの幻影が見えた。幻影はシンバに語り掛ける。

このシーンの美しさと、父の想い、ラフィキの教え。
ここのシーンが好きすぎてたまにここだけリピートして見てしまうぐらい好き。
ライオン・キングの名シーンはどこかって聞かれたら迷わずここを言うと決めている。

熱いシーンで、しかも画面がとにかく美しい。
空の描写、風の描写、静謐な大地。見入ってしまった。
やっぱりライオン・キングってこの場面に限らず、絵が美しいと思う。
これもまた演出の力なんだろうね。古い映画だからと安易な考えをしていまった。
このシーンは舞台版ではどのように演出されているのかも気になる。

父の遺志が受け継がれ、迷っていた、苦しんでいたシンバが真の王になる覚悟をめる。
そんな胸が熱くなるような名シーンでしたね。



ディズニープラス会員でさ。
何か見ようと思って考えている時に、最初に浮かんだフレーズがライオンキング。
だから見て、見終わった後に何故こんな王道の映画を今まで見なかったかと後悔した。

「過去の名作」と言われる作品を見る事って、心のハードルが上がってしまう。
単純に作品の技術力の問題でチープに見えてしまったり、
または当時の観客との考え方、思考の違いで違和感を感じてしまったり。
当時の観客と同じ感動を楽しめるかと聞かれると、どうしても厳しいものがある。

例えば『桃太郎』だって今でこそ童話だけど、
物語は生まれた当時は時代の最先端を行く物語だったのかもしれない。

当時の人と違い私達には先入観もあるし、純粋に楽しめるかはまた違った問題。
だからちょっと昔の作品になると、中々手が伸びなかった。

でも『ライオン・キング』は面白かった。
思うに、自分たちは命の輪の一つとして世界と繋がりを持っている事を伝えると共に、
脈々と受け継がれていく意志というテーマは、
これまでも、そしてこれからも変わる事のない普遍なテーマだと思う。
だからこそ、こんなにも長い間観客に受け入れられたのだろうね。

それにしてももうちょっとこの作品と早く出会いたかった。おすすめ。
ぜひ見た事の無い人は見て欲しい。熱い王道のストーリーが楽しめます。

そしていつかは劇団四季版の「ライオン・キング」とかも、
このサイトで取り上げられたらいいなって思う。
映画との違いとか自分の抱いた感動を上手く文章で表現できるように精進したい。


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