遊びの時間は終わらない ─地方の警察署の「筋書きのない訓練」が日本を巻き込んだ大騒動へ─

2023年1月13日金曜日

日活 日本映画 萩庭貞明 本木雅弘

t f B! P L
独断と偏見とちょっとしたスパイス 45


遊びの時間は終わらない 
─地方の警察署の「筋書きのない訓練」が日本を巻き込んだ大騒動へ─

Amazonより引用




湾より面白いトピックが入った。

台湾で銀行強盗を想定した訓練が行われたのだが、
犯人役の警察官2人は「スパイファミリー」のコスプレをして訓練に臨んだ。

ちょっとガタイが良すぎるアーニャと今っぽいスクーターに乗るロイドさんが、
銀行を襲撃してお金を強盗する姿はシュール。
特にピンクのエアガンを持ったアーニャが乱射する姿は好き。

何とも言えないけど、原作でそのうちそんな場面出てきそうな。
そんな予感もする。


ふざけている?

いや台北市警察にもちょんと意図はある。

人気のアニメキャラクターを使う事で、
「訓練を行っている。」という事を市民に広く知ってもらう事。
そして防犯認知を向上させる目的があるとの事だ。


正直市民からクレーム結構来ないか心配になるけれど、
でもこういうアイデアが実行できる柔軟な組織風土があるとも考えられるし、
まあ面白いよね。
台北市警察、アニメキャラに扮し強盗対応訓練「認知度向上のため」/台湾





今日は私の大好きな映画の一つであり、
そして、今年の映画始めはこちら。

「遊びの時間は終わらない」です


良い映画なんですよ。これ。出来たら色んな人に見てもらいたい映画です。

この映画も銀行強盗を想定した防犯訓練を取り扱った物で、
犯人役の警官・平田道夫があまりにもガチすぎて、警察組織は大混乱。
市民にマスコミまでも巻き込んだ大騒動に。

というコメディ作品です。

公開は1991年。 
車もガジェットも髪型も、流石にレトロを感じてしまう年数ではありますね。



舞台はとある地方都市。

ある警察署において警察に対するイメージアップを図るために、
「筋書きの無い」防犯訓練を行う事となった。

犯人役として参加する事になった真面目な警察官・平田道夫は、
この訓練に臨むために様々な銀行強盗や犯罪に関する書籍を読み、
また実際に自身が逮捕した被疑者の調書を元に、
犯人の性格や生い立ちを事細かく作り上げた。

その役作りは本物で、腕にはいかついタトゥーシール。

そして、犯行に及ぶ前には覚せい剤を打ち、
M16アサルトライフルで武装しているという設定。

そのせいでかなり攻撃的。訓練中には数人を射殺。
そして、人質を性的暴行を加える凶悪さもプラスされている。

もちろん訓練だから実際にやってはいないけれど、
ここまでくると役に完璧になりきるという演義方法・メソッド演義とは、
こういうものかなって思えてしまう。


さて、平田は手早い警察の対応により、脱出ができない状況に。
そこで彼は銀行に立てこもり、警察と対峙する事にした。

結果早期に事件を決着する事で訓練を終わらせたかった警察のメンツは潰れ、
三面記事ぐらいにと考えていたマスコミはこの「筋書きの無い訓練」を喜んだ。

一般市民もその様子を楽しみだしたものだから、もはや収拾がつかない有様。

さて、誰がこの訓練に決着をつけるのか?




この映画って登場人物がどれもこれも凄く俗っぽいよね。
下には厳しく、上にはペコペコでメンツ丸つぶれな警察組織。
視聴率の為ならば手段を選ばないどころか、半ば扇動すらやるマスコミ。
そしてそれをお祭り感覚で楽しむ外野の市民たち。
それを見てノリノリな様子の平田の両親。

その中でただただ実直に任務に励む男・平田の真面目さが逆に浮いてしまっていけれど、
平田が真面目に仕事をすればするほど警察の上層部がぐちゃぐちゃになる所とか笑う。

個人的に好きなシーンは、
防犯訓練における度重なるトラブルによって警察庁長官は謝罪会見を開く事になり、
それを見た俗物な警察署長が言った一言、
「私達は、破滅です。」からの、
帽子をかぶり犠牲者を覚悟しながら銀行へ突撃しようとする場面。

結局静止させられるけれど、あの俗物署長が腹をくくったシーンは好き。

個人的にもしも創作をする事があったら、ここのシーンは絶対パロディすると思う。


こんな感じでグループごとの落差の激しさも笑いのポイントかな。



そして、最初から最後まで一定のノリでやり切った所も凄くいい。

コメディ映画なのに感動系にオチを持っていったり、
シリアスに持っていく事はせずに、最初から最後まで同じテンションでやり切った。
ここも個人的に好きな点。

もしも終盤辺りで変に真面目な話にされてたししらけていたと思う。

コメディ作品で変に感動的なラストにしてくる映画が嫌いだから、
最後までコメディをやり切った所も好き。


テンポもサクサクで飽きないし、
昔の映画ならではの役者さん達の癖のある演技も好き。

最後まで見ていてい飽きないどころか夢中にさせる勢いと力があって、
途中でグダグダになったり、飽きたりもしない。
それでいて、大根役者がいないからノンストレス。

演義の下手だと物語を楽しめなくなってしまうから、ここも嬉しい。
そして何より脇役も含めて演義が上手い。

よくもここまで役者が揃えられたなって思えてならない。
これがバブルの力か…。

単純にこうやって演義を楽しめるのもいいね。



「今年の映画始めは自分の好きな映画を見る」というのは結構ありだと思った。

元旦から面倒事が多かったから、いい意味でリフレッシュできましたしね。

さすがに古い映画だし、地上波での放送も期待できない。
だからここでご紹介させていただいた。

良かったら是非とも見てみて欲しい。

エネルギッシュな喜劇っていつ見ても元気になれるから好き。



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毎週金曜19時更新。 目に留まった創作物にレビューを書きます。批評家では無いので、凝った事は書きません。文章は硬いめだけど、方針はゆるゆるです。よろしくです。

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