スーパーマリオブラザーズ・ムービー ─ファンの“見たい”を叶えた傑作─

2023年5月18日木曜日

Illumination アーロン・ホーバス アニメ マイケル・イェレニック 海外映画 任天堂

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独断と偏見とちょっとしたスパイス 52

スーパーマリオブラザーズ・ムービー
─ファンの“見たい”を叶えた傑作─

公式サイトより引用



皆さんは最初に遊んだマリオは何でした?


私が初めて遊んだマリオは、ゲームボーイの『スーパーマリオランド』。

まだゲームショップがにぎやかで楽しかった頃。正月だったかな。
壁一面に飾られたゲームソフトの中から、
『ポケットモンスタークリスタル』と『スーパーマリオランド』を選んだ。

結構難しくて死んで死んで死にまくり。
でもどうにかクリアして、デイジー姫を救い出しました。

裏面まではプレイしなかったけど、思い出深い作品です。

今でもたまに遊びたいなって思います。

『スーパーマリオランド2』といい、
本家ブラザーズと違った毛色のゲームボーイシリーズも結構面白かったよね。

それから『スーパーマリオ64』に『スーパーマリオサンシャイン』。
『マリオパーティ』シリーズに『マリオカート』シリーズ。
『スーパーマリオアドバンス』シリーズに『ペーパーマリオ』まで。

マリオ、マリオ、マリオ。


日本、いや世界一有名な「お茶目なおじさん」には、
縁遠い親戚のおじさんよりも子供の頃から長くお付き合いをさせてもらっています。


そんなマリオが映画になりました。

そしせ、今世界中のファンを熱狂させています。


私もこの映画は初日に行かねば。
って半ば義務感をもって初日に行きました。


感想は控え目に行って最高でした。何度も何度も見たくなる映画でした。


ファンの見たいという夢をどこまでもどこまでも叶えてくれていて、
もう何も言う事が無い様。そんな映画になっています。


さて今回の「独断と偏見とちょっとしたスパイス」では世界で話題沸騰中の映画、
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を取り上げたいとと思います。



あらすじ

ニューヨーク・ブルックリン。
そこで横暴な上司から独立した配管工の兄弟・マリオとルイージがいました。
しかし独立後最初の仕事は大失敗。家族や父親からも呆れられ、ここまで良い事が無い。

その日の夜。
ブルックリンの水道管から水があふれて道路が冠水しているニュースを見たマリオは、
自分の会社の名前を売るチャンスに捉え、ルイージと共に地下へと向いました。

地下奥深い所には、プレイヤーなら見慣れたあの緑の土管があって、
それに吸い込まれた2人は別々の場所に飛ばされてしまいます。

マリオはキノコが生い茂るキノコ王国へ。
そしてルイージはあのクッパ軍団が支配する危険なダークランドに。
果たしてマリオとルイージは再会できるのか。マリオブラザーズの冒険が始まります。




この映画について書く時にある風刺を思い出した。
「顧客が本当に必要だったもの」

これはIT業界におけるシステム開発の迷走を皮肉ったもの。

顧客が本当に必要だったもの ニコニコ大百科


創作の分野でも度々起きる。
「自分の思ってたのと違う。」という違和感。

その原因は単純に物語の展開が不評だったり、
メディアミックスがされた時にそのクオリティが低かったりとか、まあ色々ある。


これがファンの間で共有されると炎上したりして、あまり良い事は無い。



この映画の凄い所は、ファンにどこまでも寄り添った丁寧さだと思う。

皆が見たかったマリオの世界とクリエーターが見せたかったマリオの世界。
これががっちりとハマったからこそ、無敵の映画になってしまった。
皆が空想したマリオの世界。それをあそこまでの解像度で再現されたのだから。

ここまでブラッシュアップされたメディアミックス作品ってあまり無い。

無数にいるクッパ軍団。
無数のキノピオたち。
(台詞が「ペーパーマリオ」に登場するキノピオみたいに、
コミカルで少し嫌味ぽくて、でも愛嬌があるのもポイント。)


まるで横スクロールみたいなシーンに、マリオ達が始めた仕事のTVコマーシャルまで。

マリオが好きなら、感動して泣く人がいてもおかしくない出来。

私自身興奮したし、クッパがピアノの弾き語りで
ピーチ姫への愛のバラード?を歌うシーンでは吹きかけた。

さりげなく『マリオカート』をモチーフにしたシーンにはワクワクしたし、
(ちなみにピーチ姫の乗っているバイクが最高にカッコいい。あんなのに乗りたい。)
ドンキーコングとマリオのライバル的な距離感もグッとくる。


まさにニンテンドーから渡された最高のプレゼントと言ってもいいでしょう。

基本映画館では何度も同じ映画が見たくない人間なんだけど、
これだけは。この映画だけはまた見に行きたい。



個人的に気に入っている点として、
明るく楽しいこの映画に、一つまみのダークさを取り入れいる所。

よくニンテンドーのゲームにはダークな一面がある。
ファンはそれを「黒い任天堂」という。

それがこの映画にもあった。
例えばクッパとピーチ姫の結婚式の余興として、
捕虜となっていたルイージやコング族、そしてペンギンたちを檻に閉じ込めたまま、
溶岩にゆっくりと沈めようとするシーンとか中々エグイし、
これを結婚式でやるクッパも中々に悪の大王をやっている。

そして「ルマニー」というキャラがいる。
ルマニーもクッパ城に囚われていた捕虜の1人。
基本的にサブキャラであまり出番はないけれど、
「新鮮な肉が来たね。」とか言っちゃうサイコなキャラクターで、
「死こそが救済。」とか考えている。

溶岩のシーンで死ななかった事に不満な様子。

ポップで明るいマリオの世界にサイコキラーが現れたかのような。
そんなクレイジーさがある。

ある意味※exeゲームから、
キャラクターが出張していきたかのような、そんな印象すらする。
それぐらい異質なキャラで不気味だった。

でも、それもまた一種の隠し味みたいで面白かった。

言っている事は怖いけど、このダークさもまた好き。


※二次創作ゲームのジャンルの一つ。ホラーゲームが多い。
 詳しくはこちらを参照の事。

exeゲーム ニコニコ大百科





お祭りのような映画だった。

マリオの映画に日本や世界が大興奮する時が来るとは思わなかった。
良かったら。ぜひとも良かったら、この映画を見てほしい。


マリオとルイージの兄弟愛。
綺麗に映像化された驚きのキノコ王国に、小ネタの数々。
ここまでマリオの世界を映画で再現してくれるとは思わなかった。

もしもこの映画が地上波で放送されたら日本のTwitterサーバーはダウンしそう。

それぐらい遠い未来まで愛される作品になると思います。

そして、マリオが遊びたくなる事間違いなしです。



公式サイト


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