新・暴れん坊将軍 ─吉宗公、平成よりご帰還される─

2025年3月28日金曜日

テレビ朝日 ドラマ

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 独断と偏見とちょっとしたスパイス 85
  

新・暴れん坊将軍 
─吉宗公、平成よりご帰還される─







皆さんは今年の正月「暴れん坊将軍」リアタイ出来ましたか。私は残念ながら出来ませんでした。ちょうどその日が友達のバーの手伝いに行く約束していたものだから、バーの仕事をしていたので出来なかったですよね。その後Xを見たら暴れん坊将軍が凄くバズっているわバズっているわ。話題に出遅れてしまってちょっとショック。本音を言えばリアタイ実況とかをXでしたかった。やっぱ一つの作品でここまで一体感を体験できる機会って減ってきているからね。久々の祭りに参加したかった。もうこすられ過ぎて『天空の城ラピュタ』のバルスや『コマンドー』ネタも従来の様にバズらなくなった。良くも悪くも令和に入ってネット社会がどんどん成熟して、ネットと現実は表裏一体になっていった。それ自体は凄く良い事なんだけど、ネット独自のカルチャーで画面上を通してお祭り騒ぎに浸る。あの感覚に対する懐かしさは忘れられない。これからの作品に期待しよう。




さて今回取り上げるのは『新・暴れん坊将軍』。言わずも知れた時代劇シリーズ・暴れん坊将軍の新作だ。その歴史は古く、放送が始まったのは1978年と古い。それからテレビシリーズとしては2002年まで。それから数回テレビスペシャルとして放送された。ウィキペディアによれば最後に放送されていたのが2008年との事で、実に17年ぶりの復活となる。平日夕方の再放送のイメージが強い暴れん坊将軍だが、『水戸黄門』『必殺仕掛人』等と同様に時代劇の様式美、勧善懲悪の価値観、ある種の「お約束」を見る人に印象づけさせた作品だと思う。未だにメインテーマは有名だよね。そんな平成と共に去ったはずだった作品が、なんと令和の世に蘇る事になる。「暴れん坊将軍」はちゃんと最初から最後まで見た事が無かった。時代劇って残念ながら高齢者の物ってイメージが強すぎて、あまり注目もしていなかったから。でも度々異様に詳しいマニアの話がネット上では話題になる事があった。事実ウィキペディアの情報量がコンテンツの記事では考えられない程に濃い情報量になっている。物語のパターンを事細かに纏まれていて、ちょっと怖いって思うぐらい。見ていて面白いだけどね。実はかなり弾けたシリーズって事は知っていた。隕石が村に落ちたり、仮面ライダーとコラボしていたり。そんなシリーズが復活という事でついに通して見る事にした。



今回の「暴れん坊将軍」は現在の日本が抱えている時事問題や吉宗の世継ぎ問題。享保の大飢饉、尾張徳川家・徳川宗春の暗躍を絡めながら、見ていてすっきりする勧善懲悪物の作品に仕上がっていた。この分かりやすさと情報量の多さ、とても今っぽい感じがする。分かりやすさって見ている人が共感しやすくなると思うよね。今回の場合だと時事問題が増税とホストクラブの問題。社会問題化しているからこそ、共有できる訳だ。現実と物語の世界観を。このキャッチーな感じは、初めて「暴れん坊将軍」というコンテンツに触れる人達への縁を取り持った。さすがに国民的コンテンツと言えども17年ぶりとなると忘れられるし新規勢が増える訳で、ネットを見ると否定的な意見も見かけたけどこれはしょうがないと思う。またキャラクターが漫画やアニメ並みにアイコニックなのは時代劇の特徴だと思っているのだけど、明らかに狙ったあざとい場面もある。例えば宗春を演じるガクトさんがひたすら怪力を見せつけるシーンとか、吉宗の子供でもう一人の主人公、西畑大吾さんが演じる徳川家重は、障害の為に刀が使えないからレイピアで戦ったりするのも、正直あざといって思った。でもこういうあざとさが許されている実写作品というのも新鮮。アニメの様なあざとさって実写化するとしんどいじゃん。それが許される程に画の力が強いコンテンツという事を再確認。今だとよくアニメとかがショート動画でシーンの切り抜き動画をYouTubeとかで配信してコンテンツへの導線へとしているけど、『新・暴れん坊将軍』でも同じ事が出来ると思う。個人的に江戸時代風ホストクラブとか日本酒タワーでコールやるシーンが好きだった。一見場違い感はあるけど、こういう分かりやすさはあり。


また、単発のシリーズなのに世継ぎ問題。武器を大量に密輸している徳川宗春との内戦の危機。享保の大飢饉の対応に追われる吉宗の過酷な政務と増税による不満の高まり、それに時事問題と内容てんこ盛り、こんなに大風呂敷を広げて収集がつくのかヒヤヒヤしたけど物語にはちゃんとオチはついた。思うに新規向けに時代背景や吉宗の置かれている状況を掘り下げる為に敢えて一杯取り上げたのだろう。また何といっても御年71歳になる松平健さんの殺陣は相変わらずキレッキレで見ていて迫力がある。この殺陣は伝統芸能として次世代に受け継がれればいいな。こういうカルチャーを視聴者として支えていきたい。そして世継ぎ問題をちゃんとやったのは良かったと思う。マツケンの殺陣は素晴らしい。けどやっぱり年齢は隠せない。将軍と言うには年齢を重ね、いくら将軍には決められた定年退職は無いとは言え、正直ちょっと厳しいものを感じていただけに、世継ぎ問題をあえてやる事でむしろ年を重ねた吉宗に説得力が出た。吉宗の深い葛藤も見れ、むしろ出来るストーリーに幅が広がったし、西畑大吾さん主演の家重主人公のスピンオフ作品とかも見てみたい。




過去のテレビシリーズだけで全832話あるとの事でちょっと見れる気がしないだけに、令和の時代に暴れん坊将軍が帰還してきたのは凄く嬉しいし、楽しい時間だった。内容的にも新規や若年層を狙ったキャッチーな内容だったからこそ、SNSでもあそこまで盛り上がったのだと思う。ただ古参ファンがどう思うかは謎。特に暴れん坊将軍のファンって濃いから猶更。ウィキペディアとかピクシブ百科事典にあの情報量を書ける程に熱量を持ったファンがいるコンテンツなだけに、ファンは一体どう思ったのか感想を聞きたい。良かったら見てみて欲しい。マツケンと言うとマツケンサンバのイメージが強いからこそ、役者・松平健が見えれ自分は満足でした。


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