独断と偏見とちょっとしたスパイス
第22回は、スパイに殺し屋超能力者。隠し事ばかりの偽造ファミリー。
SPY×FAMILY (アニメ版)
公式サイトより引用
https://spy-family.net/
TSUTAYAや書店で猛プッシュされている話題作。
コラボグッズにキャンペーンと、
2022年上半期で一番勢いのあるコンテンツの一つだ。
私は職場の後輩に進められて見始めたのが始まり。
四捨五入したら70になる母も見ているし。
姪っ子の保育園の園長先生まで見ている。
こんなにもみんながみんなアニメを見る時代が来るとは思ってもいなかった。
設定が割りと重く、やろうと思えばどこまでも地獄めいた鬱展開ができるのに、
ただ眺めているだけでも楽しいポップでお洒落な映像作品に仕上がっている。
私自身見ていて思ったのは、いい意味で全体が「ふわふわ」している事。
今回はその辺についてまとめていきたいと思う。
またアニメは10月から13話以降の話が放送されるという事で、
レビューを書くにはちょっと早いけど、まあさっそく進めていこう。
まずOfficial髭男dismの「ミックスナッツ」とOP。これが本当に好きだ。
初っ端からポップカルチャー全開で、
OPだけでもう一つの現代アート作品と言っても過言じゃない。
ポップな色使いと、音楽。そしてアニメーションの凝り具合。
全てがかみ合っている。何回見ても飽きない。
髭男のタイアップの曲作りセンスも凄い。
彼らの作る曲は、作品の作風や世界観にあった曲ばかり。
『火ノ丸相撲』の「FIRE GROUND」や、
『東京リベンジャーズ』の「Cry Baby」。
アニメじゃ無いけど、甲子園のテーマソングになった「宿命」とかも好き。
原作をよく見た上で、作品にあった曲を作り上げてくれる。
もう「OP髭男」って書いてあるだけで、謎の安心感。
タイアップとは言え、髭男の曲も話題作りに大きな影響を与えたと思う。
出先でたまに聞くしね。
EDの星野源が歌う「喜劇」もまた作品にマッチしていたと思う。
ポップな音楽と『スパイファミリー』ってやっぱりマッチしているよね。
踊るフォージャー一家も中々キュートだ。
あらすじ
過去に戦争が起こった東国と西国は表面上平和ではあるものの、
一方で対立感情は根深く、戦争の火種は燻っている。
そんな世界で西側の凄腕スパイ・コードネーム黄昏は、ある任務を受ける。
コードネーム<梟>(ストリクス)
目的は東国で暗躍する政治家・デズモンドとの接触。
基本的に表舞台にはほとんど現れない彼と接触する手段は一つ。
名門校・イーデン校でステラ(星、勲章みたいなの。)を8つ集め、
インペリアル・スカラー(皇帝の学徒)となり、
インペリアル・スカラーだけが参加できる親同伴の懇親会に参加する方法だ。
その為孤児院で女の子アーニャを引き取り、養育する事に。
アーニャは人体実験によって人の心がわかる特殊能力の持ち主だ。
だから、黄昏の目的については知っていたが、黄昏の密かな想いを知り、
また色々都合が良かったアーニャはそのまま親子になる事に。
しかしイーデン校の入学には両親が揃っている事も条件の一つだった。
緊急で妻役を探す事になった黄昏は、偶然にもヨル・ブライアと出会う。
表の顔は公務員、しかし裏の顔は作中最強の殺し屋というヨルもまた、
独身の為肩身が狭く、職場では浮いている。世間体も悪い。
結婚した方が色々都合のいい2人は書類を多少偽造し、結婚した事にした。
そして精神科医ロイド・フォージャーとなったスパイ黄昏。
ヨル・フォージャーとなった最強の殺し屋ヨル。
そして、超能力者のアーニャ。
3人は自分の正体を隠しながら、奇妙な共同生活を始めるのだった。
最初見ていた時は、全体的に設定がふわふわしている様に思った。
だって世界観の情報やキャラのバッググランドは、
必要最低限しか明かされてないのだから。
最初はそれが見ていて不満だった。
物語の背景がわからないというモヤモヤ感。
背景が解らないから、任務の重要性が解らない。
しかし、物語が進むにつれて、それが逆に良かったと思うようになった。
例えば『名探偵コナン』みたいに、
物語をさらに広くできる自由度があるのだから。
極端な話、コメディに学園物。
戦争物にSFにアクション。ラブストーリーに政治劇。
ホラーに陰惨な話と、いろんな方面の物語が作れる拡張性が凄い。
最初から設定でがちがちに固めていたら、こんな自由さは無かった。
自由だから、次の展開がどうなるのかが解らなくなってくる。
先が読めない緊張感。次はコメディ回か、それともシリアス回か。
そういった楽しみに繋がった。
こうやってあえて作中ではあまり情報を提示しない。
というのもアリだと思った。
物語に必要以上の複雑さがなくなり、とてもシンプルになった。
また、物語の最初に明確な目的が提示されたのは良かった。
登場人物の最終的な目的が解らないと、途中でダレてしまう。
「彼らは結局何のために動いている。」が解らないと、
物語が進んでいるのかどうかが解らなくなってしまい、見るモチベが下がる。
日常系だったらそれでもいいだけど、
シナリオがある作品だったらそうはいかない。
だから、明確に提示される。というは地味に重要だど思う。
血のつながりの無い偽りだらけの家族が、
段々と「家族」という意識を持ち始める。
というのもいい。
自分のところも、昔色々あったせいで
家族という意識を持ったのは、20代ぐらいだったと思う。
それまで、血のつながりとかはあまり感じなかった。
今でも家族仲が良さそうな家族を見ると、嫉妬みたい気持ちがある。
でも、こうやって利害関係が一致しただけのグループが、
共同生活を通してより近い家族の関係になっていく。
結婚とか、家族って今悪く言われがちだけど、
こうやって分かり合って、少しずつ関係を深くしていく。
……なんて、素敵な関係だと思う。
そして何よりフォージャ一家が可愛すぎた。
いつもスパイとしての心構えを忘れないが、空回りしがちなロイド。
圧倒的な戦闘力を持ちながら、天然で発想が時々怖いヨルさん。
そして、喜怒哀楽が豊かなエスパー少女・アーニャ。
この家族。尊い。
家族で水族館に行く話とか、買い物に行く話とか、もう癒し回。
肩を張らずに楽しめる日常アニメって感じ。
背景やバッググランドが暗黒で色々不穏な分、
こうやって楽しそうなフォージャー家見ていると、日常って尊いなって思う。
こういうコメディ回。大好きです。
その中でも一番好きな回は、
MISSION:10のドッチボール大作戦
アーニャの学園回。ロイドとヨルさんはぶっちゃけあまり出ないけど、
色んなかわいさがつまった回だった。
良かった見て欲しい。
ポップでKAWAIIアニメ。
ただし、不穏な要素が多すぎて突然強烈な鬱展開がありそうで怖い。
そんなのもあって、コメディなのに適度な緊張感があったと思う。
実はヨルさんが無双した原作の豪華客船編まで読んじゃったから、
ネタばれしてしまったけど、
次男(デズモンドの次男、アーニャとは犬猿の仲?)のキャンプ回とか、
アニメで見たい。とっても見たい。
10月が楽しみだ。
公式サイト
https://spy-family.net/
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