パリピ孔明

2022年7月1日金曜日

アニメ

t f B! P L

独断と偏見とちょっとしたスパイス


第21回は、現代に蘇った孔明。シンガーの軍師になる。


パリピ孔明

パリピ孔明 公式サイトより引用

https://paripikoumei-anime.com/





諸葛亮。字は孔明。

三国志を象徴する軍師の1人。

個人的に、川に生け贄の代わりに饅頭を捧げたエピソードが好き。

「三国志の人物を想像してイラストとして描きなさい。」

という問題を仮に作ったとしよう。

おそらく関羽の次ぐらいにイメージが出来上がっている人物なだけに、

服飾に若干の違いはあっても、みんな似たような諸葛亮を書き上げると思う。

まあ、推測だけどね。



そんな日本でも有名な三国志の名軍師・孔明が日本の現代に転生したら、

というのがこのお話。『パリピ孔明』だ。


……まずその発想が意味わかんないでしょう。

私もなんでこんな発想しちゃったのか、わかんないもん。

タイトルが出落ちだし、パリピって陽キャな響きに孔明って。


でも、毎週楽しみだったのがこのアニメ。

前半は孔明の策が刺さり現代社会で無双し、

後半からは孔明がプロジュースするシンガー月見英子の成長と、

天下へと羽ばたくかのような大活躍。

(ちなみに孔明の妻の名前は、黄月英。分かりやすい三国志ネタがここにも。)


音楽に、青春に、そしてクラブに三国志。

なんでもござれなダークホース。

話題の孔明アニメについて、今回は書いていこう。



あらすじ

舞台は234年。のちの世に五丈原の戦いと評される戦いの中で孔明は陣没する。

そして次に目を覚ましたのは現代日本、ハローウィンの渋谷。

しかも、体も若返っている。

その異様な光景に地獄だと錯覚する孔明だったが、

話しかけられた人に連れられた行ったクラブで、

偶然やっていたシンガー英子のライブに魅了される。

クラブでは酒を飲まされて、街でそのままダウンした孔明は英子に保護され、

英子の部屋に行き、そこで英子から借りたスマホで全てを悟った。

蜀が滅び、司馬懿とその司馬一族が天下を取って晋を建国した事。

そして、現代日本の事を。


英子の歌に惹かれた孔明は英子の軍師(プロジューサー)として、

三国志で用いた策略を上手い事現代日本に当てはめて、英子と共に天下を目指す。

三国志×クラブという異色サクセスストーリー。



まず好きなのがこのOP。

これは絶対に飛ばせない。

『チキチキバンバン』

いかにもパリピな感じがgood。

ちなみに原曲は、ハンガリー・ブタペスト出身のJOLLY(ジョリー)の曲。

南米だと思ってた。メキシコとか。

これが日本語バージョンになったのが『チキチキバンバン』。

このOPに流れるダンスが物凄く好き。

個人的に初めてインスタでダンス動画上げたいぐらい好き。

見ていて飽きないし、その立ち位置的に堅物なイメージの孔明が、

そのままパリピダンス踊っているギャップも好き。凄くいい。


物語は前半の孔明無双、

メンタル崩壊で精神ボロボロなだけど、

MCバトルで結果を残したKABE太人をスカウトするべく策を重ねたり、

スランプの英子が路上ライブをしていた七海と出会い、覚悟を決める中盤。

そして、

ライバルのガールズバンド・AZALEAと

サマーソニア10万いいね企画」をかけて、

孔明、英子、KABE太人らは正面から挑む終盤へと分かれる。


前半はご都合主義かって言うぐらいとんとん拍子で上手くいってしまうのだけど

一方で「孔明ならしょうがない」って言う圧倒的な説得力があって違和感は無い。

実在の人物を使うだけでここまで説得力で出るなんて。

さすがは三国志。勢いをあって、頭空っぽでも楽しめる。

英子可愛い。


中盤から終盤にかけては孔明は裏方へと周り、英子とKABE太人が話のメインに。

孔明がKABE太人とMCバトルしたり、

KABE太人最大の敵・赤兎馬カンフーと戦ったり、

英子が七海と交流を深める中で、自分の音楽を深化させたりと人物描写が増える。


前半の様な勢いは無くなったが、

孔明はあくまでも君主を指導する立場として裏方に回って、英子達が主役を張る。

策だけに頼らない英子やKABE太人の成長を見ていく事になる。

こういう描写って、キャラに思い入れが無いと見ていて退屈だったりする。

私も正直退屈さを感じた1人。孔明の出番も減っているし。


とはいえ漢文も炸裂するKABE太人のMCバトルシーンとか、

問題を抱える七海との出会いから自分の音楽を見つめなおす英子とか、

好きなシーンも多い。今面白いかは置いといて、

次の展開の為の伏線って大事だよね。


さて、終盤では孔明が今まで以上にダーティな策を使ってくる。

本当にギリギリ。ネットは大炎上してもおかしくは無い。


ていうか予算どうした。っという突っ込みが突っ込みは無しにしても、

悪役みたいな手段で戦う孔明というのも新鮮だ。

しかし、英子の為に人間関係滅茶苦茶になるような離間の計は用いなかった。

三国志の戦みたいに命を奪い合う為の策ではなく、

人々を楽しませ幸せにする為に策を用いる。


そういう孔明っていいよね。

三国志の軍師が平和の時代を生きる。

というギャップが特に生かされた展開だったと思う。


ライバルAZALEAのプロデューサーで敵役の唐沢も個人的に大好き。

売れないバンドに露出を多い変態ファッションを着せて、自分の曲を歌わせる。

って一見するととんでもないプロデューサーなんだけど、実力は本物。

潤沢な資金力を用いて手段も選ばないが、

全ては売れる為にとことんプロとして徹底する。

しかし、プレイヤーに対するリスペクトだけは忘れないという、

孔明の敵としては対となるライバルキャラ。


言い方が悪かっただけで、彼の想いもまた本物。見ていて清々しい。


音楽シーンもまた魅力。

ライブシーンの迫力、そしてライブ感。

箱(ライブ会場)のクラブには行った事ないけど、

こんな感じなんかなって思えただけでも良かった。

でも一番刺さった曲は英子のDreamerじゃなくて、

EDの『気分上々↑↑』なのは秘密。懐かしすぎるやろ。

音楽にはエイベックスがかかわっている事もあって、力の入り方が違う。


普段どっちかというとポップスやインスト。ロックなんか聞いていて、

普段聞かない分野の音楽に触れられる。というのも刺激があっていい。




楽しいアニメだった。

ただただ見ていて楽しいアニメだった。

三国志というスパイスが良い感じにマッチしていたと思う。

2期があるならば、待ち遠しい。

クラブとかとは縁の無い人間だけど、

スナックやバーとは違った雰囲気が凄く楽しそう。

自分とは違うカルチャーに触れられるって、

すごくフィクションのいいとこだよね。

孔明の策にわくわくして、そして英子の真っすぐな想いが深く刺さる。

そんな熱く楽しいアニメでした。


余談

パリピ孔明のナレーションが三国無双で関羽やナレーションしている増谷康紀さん。

孔明役は三国無双では司馬一族(司馬懿、司馬師)をされている置鮎龍太郎さん。

あれ、三国無双かなってすごく意識してしまった。ナレーションとかは特に。


公式サイト

https://paripikoumei-anime.com/



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毎週金曜19時更新。 目に留まった創作物にレビューを書きます。批評家では無いので、凝った事は書きません。文章は硬いめだけど、方針はゆるゆるです。よろしくです。

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